こんにちは、アサヒコミュニケーションズです。
ここ最近値上げの話ばかりで正直うんざり…といったところですが、我々印刷業界にも苦しい値上げの波が大きく打ち付けてきております。
一般紙(コート・マットコート・上質紙)の値上げはとどまることを知らず、年々上がり続けておりその値上げ幅は二年前と比べるとなんと50%!
今回は紙の値上げの推移とその理由、今後の動向についてお話しします。
紙の価格高騰の背景
紙の価格高騰の背景としては、原燃料価格の高騰や物流費上昇、円安の進行などが挙げられます。
製紙メーカーは原材料(木材チップ・石炭・石油など)は輸入に頼っていることが多く円安がそのまま製造に影響を及ぼしています。また、新型コロナウィルス、ロシア・ウクライナ情勢が大きく影響した原油価格、物流コストの上昇も大きく影響していると言えます。
さらに、少子高齢化やIT化による構造的な需要の大幅減少も深刻です。IT化が進むにつれてペーパーレス化の速度もどんどん上がってきており、新型コロナウィルスの影響による紙製品需要の落ち込みが、感染対策緩和の動きが出てきた現在でも戻り切っていない状況です。
こうした様々な理由が重なり、記録的な紙の価格高騰に繋がってしまったのです。
原油価格の推移と円安
それではどれくらい上がってしまっているのか、まずは原油価格の推移をグラフで見てみましょう。
統計元:財務省貿易統計 原油及び粗油
一番底値の2020年5月からみるとまさに右肩上がり!わずか2年で5倍以上になってしまったんですね。
統計元:日本銀行 主要時系列統計データ
そしてこちらは為替相場の推移です。
今年に入り少し落ち着いてきている様子もありますが、2021年以降円安傾向になり、2022年に入ると急激な円安水準となりました。
紙の原料を輸入に頼っている日本としては円安は相当な痛手です。
こうしたグラフだけ見て頂いても紙の価格が高騰してしまった原因がお分かりいただけると思います。
各製紙メーカー1年間で3回目の値上げ
ほぼ全ての製紙メーカーが2023年1月出荷分より3回目の値上げを発表しました。
1年間で3回の値上げになります。(王子製紙は2回目)
上げ幅は15%以上と言われており、日経新聞でも発表されました。
印刷用紙の代表格で、主にカタログに使うロール状の塗工紙(巻き取り、A3規格)の代理店卸値は現在、1キログラム164円前後。25%の値上げが浸透すれば同205円前後となり、データを遡れる1997年9月以降の最高値となります。
もしかしたらこの春にももう一度値上げか…との噂もあるようです。
この2年間の値上げ幅を合計すると45~55%もの数字になります。この先一体どこまで上がってしまうのでしょうか。
紙製品の今後
紙製品は、大きく分類すると「紙」と「板紙」に分かれます。
「紙」と呼ばれるものは、新聞用紙、印刷・情報用紙、包装用紙、衛生用紙、雑種紙。
「板紙」と呼ばれるものは、段ボール、紙器用板紙などが含まれます。
「紙」の中で需要に変化がないのは衛生用紙のみと言われています。新聞、雑誌の発行部数が減ったことと、オフィスのデジタル化で紙が使われなくなったことなど社会のペーパーレス化が影響しています。
「板紙」は2010年あたりから段ボール原紙が伸びています。ネット通販が伸びたことによる需要増とみられています。
今後を考えた時に上述した部分に大きな変化はないとみられています。
「紙」の衛生用紙、「板紙」の段ボール原紙が紙製品の2強ということですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
印刷業界の一端でもある我々としては非常に耳の痛い話です。
このような状況が継続されると、ペーパーレス化をいよいよ本気で考え始める方も多いのではないでしょうか。
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